実績紹介

2016/04/13



日本遺産「飛鳥」モニターツアー女子旅編を行いました。

日本が「国家」として歩み始めた飛鳥時代。この時代を牽引したのは女性であった。橿原市と高取町と明日香村が文化庁に申請していました“女性たちが活躍した軌跡で語る飛鳥時代の新たな物語「日本国創成のとき-飛鳥を翔(かけ)た女性ち-」”が、平成27年4月24日に「日本遺産」に認定されました。

日本遺産「日本国創生のとき~飛鳥を翔(かけ)た女子たち~」の主なターゲットである大人女子を対象にした旅行商品のモニターツアーを​平成28年3月5日(土)~6日(日)の1泊2日の内容で実施致しました。今回京阪神在住の20~30代の女性総勢10名の方がご参加いただき、最新の超小型モビリティ「MICHIMO」に乗って、藤原京や天武持統天皇陵などの日本遺産認定スポットの散策、また明日香特産のあすかルビーのイチゴ狩り体験、自然の草木の染料作りから行う草木染め体験やドレッシング作りなど、普段は社会で活躍される女性が飛鳥にきて歴代の女性天皇の活躍に触れるとともに、女性の心もお腹も十分に満足いただけるツアー内容となっています。


日時
平成28年3月5日(土)~3月6日(日)

参加者
京阪神在住の20~30代 女性10名 

地域連携団体

  • 飛鳥ニューツーリズム協議会
  • 明日香村商工会
  • 高取町商工会
  • (一財)明日香村地域振興公社
  • (一財)橿原市観光協会
  • 橿原市昆虫館
  • 飛鳥地域内民間事業者多数


行程

3月5日(土)

10:00 近鉄橿原神宮前駅東口集合
10:15 オリエンテーション
11:15

岡地区の「caféことだま」にて昼食(築150年の古民家を改装)
国内外から高い評価をいただいている地元の人気カフェ。
飛鳥ブランドなどの地域特産品も豊富。

和紙の絵葉書、地場産業である貝釦を加工したアクセサリーも好評。

12:30

Michimoステーション(近鉄飛鳥駅前)
操作説明、及び日本遺産関連遺産群散策

(川原寺跡・飛鳥稲淵宮殿跡・飛鳥川・天武持統天皇陵・欽明天皇陵・吉備姫王墓・飛鳥川上坐宇須多技比売命神社)

14:00

楽市集合

 日本遺産ナビゲーターグループと合流して日本遺産をガイド

(飛鳥寺跡・水落遺跡・石神遺跡・伝板飛鳥板蓋宮跡・飛鳥京跡苑池)

16:00 Michimoステーションへ返却
16:10

地ドレッシング作り体験(あすかルビーのイチゴドレッシング)

明日香夢の旬菜館内・加工所にて

 講師:㈱あすか米菜豆・担当者

17:30

各宿泊施設へチェックイン

4名は外国人やフリーの旅行者向け宿泊施設
「ASUKA GUEST HOUSE」で宿泊。ドミトリーでの宿泊を体験。

飛鳥水落遺跡、石神遺跡(共に日本遺産構成文化財等)、飛鳥寺、飛鳥坐神社、国営飛鳥歴史公園甘樫丘地区から徒歩数分圏内に立地するなど、飛鳥の拠点にふさわしい場所。

今回は、ドミトリー式の部屋にて滞在。

 

残りの4名は、2名/1組となって飛鳥民家ステイを体験。

いずれも簡易宿所許認可を持つ農家民宿・とまりゃんせ、吉田家、にて分宿。
農家民宿・とまりゃんせでは、地元猟友会によるジビエ料理(猪肉の鍋料理)を協働調理。
農業体験も実施。吉田家は、醤油醸造業を営む旧家で、醤油蔵の見学体験を実施。
夕食は、自家栽培の明日香村素材を使った郷土料理を協働調理。


3月6日(日)
 
8:30 朝食後、各宿泊施設を出発
9:00

草木染体験 (ストール)

講師: 水谷道子氏(水谷草木染)

10:30

Michimoステーション(近鉄飛鳥駅前)

今井町・重要伝統的建造物群保存地区散策、

及び日本遺産関連遺産群散策

(深田池・藤原宮跡・横大路・下ッ道・丸山古墳)

その後、近鉄大和八木駅前 山葵(わさび)にてランチ

14:00

土佐街道・町屋の雛巡り見学

及び日本遺産関連遺産群散策(光栄寺人頭石)

15:30

あすかルビーのイチゴ狩り体験

場所:堀江農園

16:30

MichimoステーションへEVを返却

その後、明日香の夢市にて買物

17:30 解散(橿原神宮前駅)


◆アンケート調査結果
 
Q1. 特に印象に残った場所等(日本遺産以外)
 

 
 地ドレッシング体験、民家ステイ、超小型モビリティMICHIMOが好評であった。
 やはり女子旅ということもあり、アクティビティの中でも女子向けである体験についてほぼ全ての参加者から高評価をもらった。単なる体験プログラムだけではなく、無添加無着色の健康志向、実際に隣接する店舗で商品が販売されており、友達や家族に自分だけのマイドレッシングを持って帰る事が出来るという特別感も良かったようである。「ここでしか出来ない感」が非常に大事なポイントであるよう。同じく民家ステイ及びMICHIMOについても、同様に飛鳥地域でしか体験できない感が高評価を得た原因となっている。
 民家ステイについては、地域住民との交流が大きなポイントとなっていた。既存の宿泊施設では経験できない交流体験が参加者にとっては貴重であったようである。今回、4名が民家ステイを体験したが、地域住民から聞く飛鳥地域の話、郷土料理等が非常に好評であった。「交流」が大きなキーワードとなっている。
 MICHIMOについては、最初は珍しさもあったようであるが、慣れてくると自由に色んな場所を回りたかったという声が多かった。価格設定も特段大きなハードルではない、との意見が大半であると共に、飛鳥地域内の施設(飲食店、物販、自社仏閣、日本遺産スポット等)との連携サービス推進の必要性を感じられた。
 
 
 
 Q2. あまり印象に残らなかった場所等

 
 Q1.とは対照的な結果であった。飛鳥地域以外でも体験できる事に関して、あまり価値を感じなかったようである。また、交流を伴わない「観るだけの観光等」についても評価を得る事ができなかった。また、「飛鳥らしい」という言葉もキーワードであり、その飛鳥らしさは、参加者にとって日本遺産構成文化財自体ではなく、美しい景観や田園風景と一体となった遺跡群であり、その場所で暮らす「人々の暮らし」が「飛鳥らしい」と感じるようである。
 
 
 
Q3. お土産物について
  (高取町薬膳饅頭・明日香村産ドレッシングなどの加工品セット)
 
 

 
 お土産ものについては、共に高い評価であった。高取町薬膳饅頭については、サイズ感、内容、ご当地感などが、家族や職場へのお土産に最適との意見を得た。また、薬膳という言葉も女子旅にとって大きなポイントとなったようである。日本遺産事業との連携商品として是非活用していくべき、との意見もあった。
明日香村産の特産加工品セットについては、今回この日本遺産女子旅用として準備したものであった。いずれも無添加無着色の健康志向「ここでしかない感」が非常に高い評価を得た。こちらについても、日本遺産「飛鳥」との連携商品として推す声が多かった。飛鳥時代の食文化とコラボした商品開発ができないか、という意見も挙がった。
 
Q4. 女子旅にとって必要なものは何ですか。自由にご記入ください。  
 
アンケートより抜粋
 ・今回、日本遺産「飛鳥」のモニターツアーとして参加しましたが、正直構成遺産については、女子旅向けに売っていくのは非常に難しいと感じた。事前に飛鳥時代に活躍した女性達の事も教えてもらいましたが、それを現場でリンクして感じる事は出来なかった。
ガイドの皆さんからも説明してもらいましたが、このツアーのテーマで売っていくには、よほどのストーリーの完成度とそれを体現する施設や体験プログラムなどが必要なのではないでしょうか。
食事、体験プログラム、ミチモなどは非常に良かったです。これらは女子旅にも是非組み込んでいってもらいたいと思います。
 
 ・とても良かったです。今までの旅行では体験したことのない地域で住んでおられる方とのコミュニケーションが思い出に残りました。民家ステイは女子旅でもうけると思います。
 
 ・飲食、宿泊、お土産、ありきたりですが、これらが無いと女子旅を組み立てていくのは難しいと思います。
 
 ・魅力的な食事は必須。宿泊施設については、飛鳥地域ならではのものが欲しい。
  そういう意味では、民家ステイや古民家宿等は、この地域に合っていると思う。
 
 ・MICHIMOがとても良かった。女子旅の中に是非組み込んで欲しい。
  出来れば、ツアーよりも自由に走り回れるのが良いと思う。
 
 ・明日香村の田舎のイメージだけでなく、橿原市の町のイメージなども上手く組み合わせていく事が必要だと感じた。あと、体験(ドレッシング作り体験や草木染体験)などは、女子旅には良いと思う。                          
 
Q5. 日本遺産のポイントで印象に残ったところはどこですか。

 
 
飛鳥寺跡(飛鳥寺)が最も高い回答を得た。これは、既に飛鳥寺が観光地としての一定の評価を得ている場所であり、施設内の方々からの説明も熟練しており、当然の結果であると思われる。
そもそも、今回の日本遺産「飛鳥」の各構成文化財については、それだけで旅行商品に組み込んでいくのは非常に難しい。特に今回のような「女子旅」にとっては尚更であると感じられた。その中でも、伝飛鳥板蓋宮跡は「大化の改新」の現場として、飛鳥川上坐宇須多技比命神社はパワースポットを感じる場所として、日本遺産「飛鳥」としてではないが、参加者の印象には強く残ったようであった。


Q6. 日本遺産のポイントで印象に残らなかったところはどこですか。


全体として、あまり時間を割かなかったという事も原因として考えられるが、日本遺産を構成する文化財として、しっかり説明して理解してもらう事が大切であると考えられる。また、各文化財を理解してもらう為には、わかり易く伝えるツール(飛鳥物語読本のようなもの)、日本遺産を伝えるガイド、理解を促すための仕掛け(ワークショップ等)が必須である。
よくある旅行商品として「日本遺産飛鳥を巡る旅」のような感じで「観るだけ観光化」のように商品化していくのは、効果もあがらず、本事業自体の価値を損なうものであると思われる。